紀伊半島一周高速道路の整備が着々と進んでいる。先だって７日には熊野川河口大橋を含む新宮紀宝道路２.４キロが開通した。将来的には三重県側は熊野尾鷲道路まで、南側は那智勝浦道路を経て、串本を回って大阪の松原までつながる。

　基盤整備によって都市部との行き来が容易になれば、まちの在り方も変わる。ストロー現象で人口が流出するか、産業や観光振興につなげられるか。引き続き分岐点にあると言える。

　尾鷲の視点で見ればどうか。外国籍の船も入港する新宮港は、高規格道路が全通すれば１時間以内の距離。ビジネスパートナーにもなれば競争相手にもなる。観光面で考えれば、東は長野県や関東圏から、西は中国、四国地方などからの「紀伊半島一周ツアー」で連携が可能。

　全通まで２０年とか３０年とかの月日が必要になる可能性があるが、自分が生きている間に実現しそうなところまできた。尾鷲市と紀北町の若い職員には、南側の高速道路がつながった時の構想を、今からでも考えておいてもらいたい。

（Ｍ）