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紀南抄「ダブル災害の危険性」

 「天災は忘れたころにやってくる」という言葉があるが、もはや「天災は忘れる前にやってくる」のが現状である。全国各地で次々と自然災害が発生し、いつどこでどんな災害が起こったのかも分からなくなってしまうほど。世界でも干ばつや熱波による森林火災、ハリケーンや火山噴火など、地球規模で災害リスクが高まっているように感じる。

 今年1月の能登半島地震からの復興途中の被災地を襲った豪雨。地震被害の大きかった珠洲市、輪島市、能登町などで多くの川が氾濫し、死者・行方不明者が発生する災害となった。被災地の方もまさか違う種類の災害にあうとは思っていなかったと思う。

 ダブル災害はまったく他人事ではない。特に当地方は日ごろから台風や大雨の被害が多く発生する地域の特徴に加え、近い将来の南海トラフ地震の発生も懸念されている。これらが同時に起こることも十分考えられる。コロナ禍を想定した避難所設営訓練を行っていた地域があったように、これからは防災訓練も単体で考えるのではなく、複合的に考察する時期に来ているかもしれない。

【織】

      9月25日の記事

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