夏は子どもたちの活躍をよく耳にする季節だが、今年はうれしいニュースが多い。ソフトボールでは海山クラブが春に続き夏の全国大会出場を決めた。高校野球では尾鷲が初戦で昨夏優勝校のいなべ総合を破り、全国ニュースでも「大金星」「尾鷲の進撃」と言われた。この地域のお家芸、水泳では尾鷲高の部員全員が東海大会出場を決め、「全員でインターハイに行きたい」と意気込む。陸上では紀北中出身の世古櫻紗さんが東海高校新記録を更新し、こちらもインターハイでの活躍には期待しかない。
子どもの人数が減る中、特に団体競技を維持していく難しさがある。この課題は大人たちが考えていかなければならないが、今回のソフトボールと野球はこの悲観論を跳ね返す活躍といえる。
水泳部には津や松阪から門戸を叩く生徒もいる。特化したスポーツの強化は若者の移住定住促進、交流人口の増加の国策ならぬ〝地方策〟になり得る。子どもたちが示した可能性を広げるのは、大人の役割である。
(R)