三重県立熊野古道センターは、世界遺産登録20周年記念企画展「熊野古道伊勢路 西国第一の難所 八鬼山越え」を行っている。8月18日(日)まで。
八鬼山は「西国第一の難所」といわれた難所で、巡礼者を苦しめた。巡礼者が書いた道中日記では「古今無類ノ大難所」「聞しにまさる大難所」などと表現されている。
展示は、古道に沿って点在する町石の拓本がメイン。像一つ一つの表情の違いが分かる。かすれているものの文字が読み取れるものもある。本来は1町(約110メートル)ごとに置かれていたはずだが、現在は九木峠、三木峠に近づくにつれ密集して存在している。
また、同センター所蔵の絵図や道中記、名所図会、尾鷲組大庄屋文書などの資料から、江戸時代の人々が八鬼山をどのように捉えていたかや、巡礼者が八鬼山や熊野古道伊勢路を旅する様子などを紹介している。また、町石の実物と拓本を展示し、信仰の面からも八鬼山に目を向けている。
8月3日(土)午後2時から同センターの亀田侑美さんによる展示解説を行う。各日先着20人を受け付ける。
7月21日(日)午後1時30分からは20周年記念講演会が行われる。三重県教育委員会社会教育・文化財保護課の伊藤裕偉副参事が「道標をめぐる人間模様」をテーマに話す。定員は申し込み先着80人。締め切りは20日(土)午後5時。申し込み、問い合わせは同センター(0597-25-2666)。
9月1日(日)まで、特別展示室で「収蔵品に見る熊野古道伊勢路」も行っている。