今が旬のモモを求めて、一大産地である紀の川市桃山町に向かった。ここは旧那賀郡安楽川(あらかわ)村で、300年以上のモモ栽培の歴史がある地域。平成6年には「あら川の桃」としてブランド化し、関西エリアを中心に人気が高まっている。
モモ初心者なのでどこに行けばいいのか分からず、とりあえずJAの産直市場へ。午前中に到着したのだが、すでに第3駐車場までいっぱいで、店内はモモの箱を山盛りに積んだカートを押す人で溢れ返っている。そして生産者が搬入するそばから、争奪戦が発生している。ここら辺ののんびりしたミカンの直売所をイメージしていたので、あまりの熱狂ぶりに怖気付いてしまった。
あとで調べてみると、オープン前には200人以上の大行列ができるほどなのだとか。地元の人に聞くと、モモ農家の直売所が並んでいるところもあって大変にぎわっているが、熱気と裏腹に地元民はモモにあまり興味がないそうで、「モモはもらうもの」とのことだった。高級フルーツのモモが当地方のミカンと同じ扱いなのだなと、不思議な感じがした。
【織】