尾鷲市向井の三重県立熊野古道センターで4月27日から、「写真で懐古 故郷のくらしと風景 紀北町」が行われている。昭和期のものを中心に約120枚の写真で、紀北町地域の集落の風景や行事、産業などの昔の様子を伝えている。6月16日(日)まで。
昭和初期から中期にかけて発行された絵はがきや個人の撮影写真、公民館や町役場などに寄贈された古写真で、郷土の近現代を振り返る企画。令和2年から東紀州5市町を一か所ずつ取り上げており、紀北町が最後となった。
最も古いとみられる写真は明治後期のもので、このうち、現在の町立西小学校付近を写したものは、海岸沿いまで多くの家屋が並び、砂浜のような場所に船がつけられている様子が分かる。
戦前の地区の運動会での集合写真は、多くの人が写っており、担当した井田光彦さんは「運動会は当時最大の娯楽の一つ」と語る。
また、芦浜原発反対運動の様子(昭和41年)や、大相撲の巡業(昭和47年)、今は行われなくなった島勝浦のかます祭りの三番叟(さんばそう)(昭和後期から平成初期)などの写真が並ぶ。
井田さんは「70代、80代の方には懐かしいと思っていただけると思う。町内の方、出身者にはかつての郷土の様子を、地域外の方には昔のこの地域の風景を楽しんでいただければ」と話していた。