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不連続線「寄り添う政治」

 来年度末で閉校となる矢口小は5年生がいないため、最後の卒業生一人が羽ばたいていった。精いっぱいの祝福を受け、涙ながらに感謝の言葉をつむぐ卒業生の姿に、地域に見守られながら良い6年間を過ごしたのだと拝察する。

 卒業式には恩師、一部の県議や国会議員から祝辞が寄せられる。壁に張り出された祝辞に思うところがあった。

 恩師の祝辞は、卒業生のファーストネームで呼びかけ、具体的な思い出を挙げ、幸福な未来を願う心のこもった文章だとよく分かる。その隣で、洗練された文で、最後の卒業式のただ一人に「卒業生の皆さま」と書いてしまう政治家の祝辞を残念に思う。

 もちろん選挙区の子どもの門出を祝福する好意から来ていて、悪意をもって捉えるべきではない。政治家当人の志や資質ではなく、情報の吸い上げが至らなかったと考える。

 地方の少子高齢化は簡単に解決できるものではなく、住民も行政も断腸の思いで閉校に至る。それでも選挙区の住民に寄り添い、痛みや喜びを分かち合う選良であってほしいと願う。

(R)

      3月22日の記事

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