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紀南抄「多様性の言葉のもとに」

 同性婚を認めない現行制度が憲法に違反するとして、北海道の同性カップル3組が国に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、札幌高裁は14日、「違憲」と判断。平等原則を定めた憲法14条、婚姻の自由を定めた24条1項、個人の尊厳と両性の平等に基づいた家族法の制定を求める24条2項の、いずれにも反しているとした。全国で6件あった同種訴訟で初めての高裁判決で、24条1項に違反するとの判断は地高裁を通じて初。
 
 日本は主要7か国(G7)で唯一、同性婚や婚姻と同等の権利を保障するパートナーシップ制度を国レベルで導入できていない。一方、全体で人口の6割超に及ぶ地方自治体が、性的少数者のカップルを公的に認める制度を設けている。当地方でも民間団体の活動の甲斐もあり制度が導入されてきている。「多様性」の言葉のもとに民が政治をリードする、新たな風である。
 
 一方、露出の高い女性ダンサーへの口移しのチップなどで話題になっている、昨年11月に和歌山市内で行われた自民党若手議員らの懇親会のテーマも「多様性」だったようだ。笑えぬ言葉遊びである。
 
【稜】

      3月18日の記事

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