たまに、気合を入れたい時にやっていることがある。走行中の車で「わっしょーい」と大声を出すのだ。気分が乗らない時や元気を出し切れない時にふと実行すると、不思議と自然に腹に力がこもり、大きな声が出る。大声を出し一度丹田（たんでん）に力が入ってしまえば、たいていのことは何とかなる。

 

　これは、小中高とやっていたバスケの試合前の運動の掛け声である。選手として大成したわけでも、バスケ一筋で生きてきたわけでもないが、今になって、スポーツをやっていてよかったと思う。他にも礼儀や意思疎通、相手の尊重、挑む時のマインドなど、得たものは計り知れない。

 

　那智勝浦町の多目的広場が完成した。バスケやフットサル、スケボーなどあらゆるスポーツを想定したもの。これを機に、新しくスポーツに触れる子どもや久しぶりに運動を楽しむ大人が増えたらいいなと思う。「健康づくり」や「地域交流」というねらいももっともだが、一個人の体験としては、体を動かすことを単に楽しめることが豊かさなのだと思う。車内での発狂もその一つである。そうであると言い張る。

 

【稜】