年末年始は実家で過ごした。お年玉をあげることには慣れたはずだが、今年も慌ててポチ袋を用意した。家族であれ地域であれ、楽しませてもらったことを自分が担うことは、伝統文化の本質だと思う。
能登地方で元日に起こった地震は津波や火災、土砂災害などを引き起こし、多数の死傷者が出ている。被災した方々は、これから楽しいはずの正月を迎える度に被害を思い返す、そう思うとやりきれない。災害は人の都合を待ってはくれない、と改めて気づく。
発災時、NHKのアナウンサーが「東日本大震災の津波を思い出してください」と強い口調で避難を呼びかけていた。兵庫県のサンテレビ放送は多言語による避難を呼びかけたが、これは阪神淡路大震災の教訓とし多様な人たちを守るためにあらかじめ用意したものだという。
南海トラフ地震の危険性を抱えるこの地域にとって、今回の震災は他人事ではない。被災した方々に寄り添った支援はもちろん、どうしたら少しでも生命や安全が守れるのか、学んでいかなければならない。
(R)