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紀南抄「虹をくぐりたい」

 先日のお天気雨の日に、あちこちで虹を見かけた。そのうちの1つがすぐ目の前にあって、進行方向に向けてアーチ状にかかっていた。何だかくぐれそうな気がして一生懸命進んでみたのだが、追いかけても追いかけてもどんどん虹は逃げていく。そしていつしか消えてしまった。
 
 ネットで調べてみると、虹の発生するメカニズムにより、くぐることは不可能らしい。虹は空気中の水滴が太陽光を反射して見える現象で、太陽に向かって反対の方向に出現する。常に42度の角度を保っているため、観察者が虹を見上げて下をくぐることはできないという。
 
 ただし、協力者がいれば可能となる。虹の見えるポイントに協力者が立ち、もう1人が指示にしたがって移動すると、協力者が見ている虹をくぐるっているように見える。その瞬間をカメラにおさめると、虹のアーチをくぐっているファンタジーな写真が撮影できるという。
 
 虹は実際に存在しない幻のようなもので、近づくこともできないし触ることもできない。だからこそ、美しい虹を見ると感激して思わず誰かに知らせたくなる。
 
【織】

      11月22日の記事

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