東紀州5市町がそれぞれ、三重大学医学部医学科の「地域枠B」への応募を呼び掛けている。医師が不足している地元に戻り、地域医療を担う医師となってもらう優秀な学生を推薦し、将来の地域医療の充実を図るための推薦枠。学費についても別途、県が6年間で約770万円を貸与する制度がある。
地域の医師不足は一向に解消に向かわない。絶対数の問題と診療科ごとの偏在という2つの壁がある。
奨学金は、決められた勤務地・診療科で一定期間勤務すれば返済免除になる。ありがたい制度だと思うが、期間限定とはいえ、職業選択の自由や居住の自由が著しく制限される状況が生じる。
特に、技術を積むべき若い時代に、そのような機会が限られる場所での勤務を強いられる状況がある。「地域で働きたい」という気持ちが一番に来ていないと、対応が難しいかもしれない。
医療と教育は「住みたい」「住み続けたい」気持ちの土台につながっている。知識・技術も磨けて、地域医療にも貢献できるような制度はできないか。
(M)