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紀南抄「オリンピックの聖火トーチ」

 先日、東京オリンピックの聖火ランナーの方に、実際に走った時に使ったトーチを見せてもらう機会があった。トーチは日本のシンボルツリーであるサクラをモチーフしており、上から見ると花びらが5枚開いているようなデザイン。ピンクゴールドの色もサクラにちなんだもので、慎ましく可憐な姿が日本の美意識を象徴するかのようである。

 重さは1.2キロ。丈夫で軽いアルミニウム製だというが、恐る恐る持たせてもらうと、ずっしり重い。この重みがたくさんの人の思いを運び、東日本大震災の被災地から全国各地を巡り、東京へと聖火をつないだ。

 来年に開催が迫ったパリ2024オリンピックのトーチは、今年7月に発表された。シャンパンカラーが特徴で、パリ五輪の3つのシンボルである平和、水、平等を表現しているという。来年5月にはこのトーチに灯された聖火が人から人へと渡り、数千キロを旅する。

 オリンピック出場をかけた予選がすでに始まっている競技もある。まだだいぶ気は早いが、たくさんの選手の活躍と感動を楽しみにしている。

【織】

      10月 7日の記事

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