• 本日の新聞広告
  • 17時更新
    三重 東紀州ニュース
  • 17時更新
    和歌山 紀南地方ニュース
  • イベント情報

紀南抄「雲の中」

 先日、雲の中を歩いていた。地元北海道で、日本百名山にもなっている「雌阿寒(めあかん)岳」に登ったのだ。活火山で、森林限界を超えた頂上付近は岩場が続き、噴火口も見える。同行した姉は登った経験があり、行く前に「月面を歩いているみたいだよ」と教えてくれた。楽しみにしながら一歩一歩を踏みしめ、1499メートルを踏破したわけだが、うん、なんだろう。霧と風で何も見えない。

 「しかし雲はきれいだ」と自分をいさめる。いつも見上げているお空の雲が、身近に感じられる。というかずっと体に吹き付けてくる。髪はびしょびしょ。頂上に着いたらお湯を沸かして飲もうと持参した姉のコーヒーセットも、重いからと途中から私が担いでいたが、うん、なんだろう。風が強すぎてとてもそんな状況ではない。

 という調子で眺望についてはさんざんだったわけだが、やせ我慢を差し引いても雲が流れ続ける光景はきれいだった。見え方が変わる。夏の入道雲が好きで最近はよく見上げているが、あの裏側にはどんな世界があるのだろうか。きっとコーヒーは入れられないだろうな。

【稜】

      8月28日の記事

      最新記事

      太平洋新聞 電子版 お申込み
      ご購読申し込み月は無料
      ※イベント中止および延期となる場合がございますので、詳細は主催者へ直接ご確認頂きますようお願い申し上げます。

      ニュースカレンダー

      速報記事をLINEでお知らせ 友だち追加

      お知らせ