三重県内では今年、特殊詐欺被害が急増している。上半期(1~6月)でみると、昨年同期に比べ件数は1.82倍の131件、被害額は1.56倍、約8390万円増の2億3470万円に上る。
直近では尾鷲署管内でも8月13日に紀北町で架空請求により80万円の被害があった。今年3件目で被害総額は計813万円となっている。また、この1週間、電力会社や通信会社をかたり「料金が未納」などとして支払いを求める不審電話が相次いでかかってきており、尾鷲署などが注意を呼び掛けている。
犯人にだまし取られたお金は、こつこつためた大切な財産。警察などから聞く話によると「まさか自分がだまされるとは」と話す人も多いよう。大切な自分の財産。自ら守ることが大切だ。
手口は多種多様だが、「今日中に手続きしないと」などと慌てさせることや、金融機関や自治体、警察など公的(と見られる)な肩書きのある人をかたることなど、パターンがある。慌てさせるのは判断力を鈍らせるため、公的らしい名前を出すのは信用させるため。
コンビニエンスストアの従業員や金融機関の職員の多くは、警察の指導で「あやしい」と思ったら客に注意を促したり、説得を試みたりする。店の人に「大丈夫?」と確認された場合は、助言に従うのがよい。
そもそも、電話で「支払いを」と最後通告するのは不自然。
携帯電話やスマートフォンのショートメッセージが送られてくるケースもあるが、高齢者の場合「自宅の加入電話」がきっかけになる場合が多い。最近は防犯機能のついた電話も売られている。不安な人は、それらを利用するのもよい。
いろいろな手口も、よく考えると不自然だったり違和感があったりする。急な話でも「一度立ち止まる」ことが大切。その上で、周りの人や警察に相談することが被害防止につながる。