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紀南抄「4年ぶりの新宮花火大会」

 「ぴゅるるるる」「どおーん、どおーん」「ばちばちばち」…。花火の美しさを構成するのはその色や形はもちろん、音もその一つ。胸に響くその打ち上げ音は、会場に行ってこそ体で感じられる。地域の花火大会は、そんな魅力を間近で感じられるよさがある。
 
 台風7号の影響で13日から延期になっていた新宮花火大会が、20日に無事開催された。コロナ禍で4年ぶりの開催ということもあり、満を持しての花火大会。会場には露店が並び、行き交う人で熊野川の河川敷はにぎわった。
 
 開催時刻前に歩き回っていると、ふと頭上に花火の音。少し早めに何発か打ち上げられたのだ。談笑をしていた人々も振り返り、一瞬の大輪を目に焼き付ける。人々の笑顔が花火に照らされて、印象的な世界を作りだしていた。「夏が来ると花火が上がる」。そんな当たり前の特別が戻ってきた瞬間である。
 
 地上でどれだけしがらみや面倒があっても、上空の花火は無条件に人を惹きつける。下を向いている人も、その音が聞こえれば見上げることができる。素晴らしい花火大会の無事の成功に感謝とお祝いを伝えたい。
 
【稜】

      8月21日の記事

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