東日本大震災から12年を迎えた。十二支ひとまわり。当時、生まれたばかりの子どもが小学校を卒業するだけの時間が経過した。
たびたびの話題になるが、南海トラフの巨大地震はいつ起こるか分からない。100年に一度程度、繰り返し発生していて、「30年以内に震度6弱以上の地震に見舞われる確率」がじわじわと上がっている。心配が過度になると、それこそこの地域で住むのは難しいが、万一に備え、例えば「この道を通って逃げる」といった行動の確認や、ローリングストックなどによる備蓄、少なくとも寝室の家具の転倒防止などの対策は意識しておきたい。
理論上最大の津波が来た場合の、浸水深さなどのハザードマップが公開されている。この機会に再点検をしておきたいが、ハザードマップでは「浸水しない」場所でも浸水する可能性があることには留意したい。
東日本大震災では、標高40メートル以上の場所まで津波が斜面を駆け上った事例があった。傾斜と距離の関係で到達地点の高さは変わるが、尾鷲市街地を考えると、港から駅くらいまではゆるやかな登り坂。遡上を考えつつ避難場所を決めておくことが必要だ。
(M)