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社説「地域経済に還元する予算に」

 市町では来年度予算編成が大詰めになっていることと思う。地域経済が疲弊する中、限られた予算をいかに効率的に使うか、市長、町長や執行部が頭を悩ませていることと思う。

 少子高齢化と経済状況の影響で、収入は減る、取り組まなければいけない事業は増えるという状況になっている。そんな中でも、支出が少しでも地域経済に還元されるような取り組みに期待したい。
 
 紀北町の住宅リフォーム補助は、毎年地域に一定の経済効果を生んでいる。議会では予算規模を増やすことを求める声も上がっているが、順番待ちは生じるものの一定のレベルで事業が継続できることが重要。ただし、高齢化でリフォームが待ったなしの人が出てくることを考えると、必要度に応じた優先順位付けをしてもよいかもしれない。
 
 ある事業がなくなると、急に経済が縮小してしまうリスクがある。新型コロナウイルス感染症に関する経済対策として、尾鷲市でも紀北町でもこの3年間、商品券事業を行っている。ほぼ全額、国が資金を出してくれたから実施できた取り組みだが、ゼロになると経済に与える影響は大きい。ウイズコロナに転換が期待されるが、景気は上向いておらず、燃料費と物価高騰で一層、住民の財布のひもが固くなることが見込まれる。プレミアム率は低くてもいいので、実施を願いたい。
 
 尾鷲市では3年間中止になっているバルの復活を求める声も多い。飲食店支援以上に、地域が活気づく取り組み。これまでの傾向で、10月ごろはコロナの感染が下火になる。ぜひ、タイミングを見計らって実施することを求めたい。
 
 いわゆる「ばらまき」を推奨するわけではないが、落ち込んでいる住民の気分を盛り上げるためにも、住民がメリットを実感できるような予算、事業が必要だ。地域外に使われるはずだったお金を地域で使うように誘導する取り組みは、地元経済への効果が大きい。行政が直接取り組むもの以外でも、商工会議所や商工会、各種団体に委託して行う事業も、少しでも地域で資金が循環するようにアイデアをひねり出してほしい。
 

      1月28日の記事

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