コロナ禍で3回目の年末年始を迎える。感染者数こそいまだ変動しているが、さまざまなイベントが本来の形を取り戻して開催されている。先日地域の催しを取材した際は「ワールドカップだってやっているのだから」ともっともな意見を聞き、だんだんと人が集まれる状況が実質的にも、また意識の上でも戻ってきているのかなと感じた。そんな中での年末年始である。
7日には熊野本宮大社で「熊野本宮よみがえり委員会」が開かれ、関係機関が年末年始の体制を協議した。その中で「先日伊勢参りに行ったが、隣の人と肩が当たるほど、ものすごい人出だった。これが熊野でも起こるのかもしれないと思い、戦々恐々として帰ってきた」と情報を共有している委員がおり、周囲もうなずいていた。
人流が戻ってくるのは大歓迎だが、そうなった場合に大事になってくるのは、受け入れる側の体制である。同大社に限らず、あるいはこの年末年始に限らず、今後一気に人流が戻ってくるようなことが起きた場合に、宿泊施設や飲食店、観光施設、観光案内所などの現場は、準備が整っているだろうか。そんなことがふと頭をよぎった。
【稜】