防災の話題で一番関心が高いのは、南海トラフを震源とする巨大地震だろう。発生すれば被害は甚大。かつ、発生確率は低くない。30年という長い期間で見ると、「起こるか」「起こらないか」を考えると、起こる可能性の方が高い状況。
ところで、南海トラフと呼ばれる区域は広く、東から、伊豆半島から御前崎、御前崎から志摩半島(遠州沖)、志摩半島から潮岬(熊野灘)、潮岬から室戸岬、室戸岬から足摺岬(四国沖)、足摺岬から西側(日向灘)。それぞれで地震が起こることもあるし、連動する時もある。
比較的可能性が高いとみられているのは、潮岬の東側と西側が別々に動くケース。気象庁などは、いわゆる「半割れ」ケースとしている。規模が大きい場合には、1週間程度の避難を含む警戒が必要とされる。
ところで、尾鷲市でも紀北町でも、すぐに避難できない高齢者が多い。かつ、安全な場所に1週間避難をと言われても行き先の無い人がほとんどだろう。広域の受け入れ体制整備が必要だ。可能なら、尾鷲市は飯田市に、紀北町は四条畷市と協定を結び、宿泊施設や公的施設に受け入れてもらえる仕組みをつくれないか。ぜひ検討してもらいたい。
(M)