新宮市の三輪崎八幡神社例大祭は今年も規模縮小で、15日(木)に神事のみ斎行(さいこう)される。宵宮、神輿(みこし)渡御、山車(だし)の巡行をはじめ、三輪崎郷土芸能保存会による獅子神楽や鯨踊り披露もこれで3年連続の中止となる。
一方、この日曜日に行われた勝浦八幡神社の例大祭では3年ぶりに神輿が渡御し、名物の海中神事も行われ、見物客らを喜ばせた。コロナ禍で開催の有無を判断するのは非常に難しく、どの判断も間違いではなく、尊重されるべきだ。
ある保存会のベテラン会員が若い世代の祭り離れを心配していた。これだけ中止が何年も続けば気持ちが冷め、練習や発表機会がないために祭り継承への意欲も失せるのではないかという。どの地域も同じ悩みを抱えているのではないか。
発表の機会が失われたのなら、あえて作ってはどうか。この地域の芸能保存会が一堂に会して新宮市の丹鶴ホールなど大きな会場での発表会。各地の芸能を一挙に楽しめるとなれば、見ごたえのあるものになる。演じる側も地域内外へのPRの絶好の機会になるはず。誰かが音頭をとらなければ始まらないが、一考してはどうか。
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