渋谷区の路上で女子中学生が包丁で見ず知らずの親子を切りつけるというショッキングな事件が発生した。動機や背景はさておき、この事件による特に同年代の精神面での影響を心配する。新型コロナウイルス感染症の状況は改善しない中、精神状態が不安定になりやすいとされる夏休み明けを迎える、いわゆる「9月1日問題」に気をつけなければならない。
夏休み終盤の尾鷲では、尾鷲小体育館で長茂会ゲーム大会、尾鷲商工会議所青年部による星空縁日、土井見世でのゲーム大会と、地元の子ども向けの企画が続く。市内でも感染拡大の懸念はあるものの、夏休み終盤のお楽しみ企画は前述の9月1日問題の解消に多少なりとも寄与するのではないか。
厚生労働省によると、小中高生の自殺者は近年増加傾向が続いており、さらに令和2年は過去最多の499件、昨年はそれに次ぐ473件と、コロナの影響は顕著に表れている。もちろん人それぞれ理由はあるだろうが、自分よりも若い人が命を失うことは理屈抜きに辛いものがある。不安を抱えやすいコロナ禍だからこそ、子どもたちに地域が心を配っているという姿勢を崩さないことが肝要となる。
(R)