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紀南抄「打ち上げ花火に願いを込めて」

 新宮商工会議所青年部による「癒やし・励ましの打ち上げ花火」が先日、熊野川河川敷で行われた。今年で3年目。コロナ禍によるさまざまな制限や我慢を強いられる中で、「不安な気持ちを少しでも和らげて楽しいひとときを過ごしてもらい、1日も早くこれまでの日常に戻れるように」との願いが込められている。

 今年も打ち上げ会場の間近で鑑賞する機会を得た。開始を待ちわびる中、突然「ドーン」という暗闇を切り裂く轟音が鳴り響き、夜空に大輪の花が咲くと一気に気分が高揚。花火大会のような豪華さや派手さはないものの、みんなの思いを乗せて1発1発丁寧に大切に打ち上げられた花火だった。キラキラ輝く一瞬の夏の思い出を、しっかりと目に焼き付けておこうと思った。

 花火企画当初はまさか、ここまでコロナが長引くとは誰も予想していなかっただろう。今まで当たり前に見ていた花火がこんなに貴重なものになるとは思いもしなかった。「来年は通常通り新宮花火大会が実施されて、この青年部の花火が開催されないことを願っている」という岩澤宣之会長の言葉が印象的だった。

【織】

      8月13日の記事

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