東紀州5市町の広域ごみ処理施設計画の素案が示された。処理方式については、事業者から提案のあった4つの処理方式を点数化し、総合得点が最も高かった「全連続焼却方式(ストーカ式)・発電なし」が選定された。
発電なしのストーカ式は115点中95点、経済性に優れ、整備実績があることが特徴だが、温室効果ガスが10点中2点なのが気に掛かる。発電ありのストーカ式は総合90点で、温室効果ガスは10点満点。
5市町で足並みをそろえる意味でも得点による評価は公正で明快だが、得点が拮抗した場合、配点や重要事項で再度議論する余地はなかったか。
尾鷲市が注力しているのはSEAモデル、ゼロカーボンシティ宣言、ふるさと納税で、どの施策も豊かな自然の活用が根底にある。全国有数の多雨、日本農業遺産である尾鷲ヒノキ林業、世界遺産の熊野古道による知名度も強みで、SDGs(持続可能な開発目標)にかなうまちとしてPRできる。確かに5市町の施設ではあるが、尾鷲市に建設されるごみ処理施設である。環境保全に積極的ではないとの評価を受けかねず、市政戦略の核と齟齬(そご)が生じるのではないか、と不安視している。
(R)