尾鷲市と紀北町の成人式が10か月ほど遅れながらも無事行われた。ともに参加したのは全体の6割ほどと例年より少なく、延期やコロナの影響で参加できなかった人もいたが、それでも多くの若者が旧交を温めることができた。
コロナの感染拡大に振り回され、ほかのイベントは軒並み中止になる中、主催者が中止の可能性に触れながらも「一生に一度のことなので開催したい」という姿勢を崩さなかったことが印象的。来年のことを考えると、この11月の開催はぎりぎりのラインで、感染状況が落ち着いた時期と重なったのは幸いといえる。
新成人から「自分の周りでも中止になった人がいて、自分も覚悟していたので、開いてくれて感謝したい」という声を聞いた。多くの若者が就職や進学で地元を離れてしまう地域だからこそ、仕事や将来について考える時期に、故郷で行われる成人式の意義は大きい。
来年の成人式が2か月後に控えている。現在の国内の感染状況はかなり落ち着いているが、感染拡大が広がる諸外国の状況を見ると、今後どうなるか見当がつかない。関係者は苦労が絶えないが、新成人に寄り添う姿勢は変えずに臨んでほしい。
(R)