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紀南抄「命の重さ、尊さ訴える」

 「生命のメッセージ展in新宮」が20日(土)午前9時~午後3時、市立王子ヶ浜小学校体育館で開かれる。殺人、悪質な交通事犯、いじめなどの結果、理不尽に生命を奪われた犠牲者が主役のアート展で、「メッセンジャー」と呼ばれる犠牲者等身大のパネルに、それぞれの遺族が込めた思いと本人の写真が記され、声なきメッセージを来場者に発する。
 
 準備作業の取材で、全国各地でこのメッセージ展を開催する「いのちのミュージアム」(東京都日野市)の鈴木共子代表理事と話す機会があった。手記によると、鈴木さんは一人息子を、飲酒・無免許の暴走車によって一瞬にして奪われた。当時の法律では、業務上過失致死罪で最高5年の刑期であることにショックで体が震えたという。その後、悪質で危険な運転に対する厳罰化を求め「危険運転致死罪」の成立に奔走した。
 
 本来、法改正は国や議員が時代背景に応じて行うべきで、被害者遺族がその役割を担わなければならないのは悲しい。生命のメッセージ展は、命の重さ、尊さを訴え、犯罪のない社会を創造し、未来の命を守ることが目的。一人でも多くの人がその意識を高める機会になれば。
 
【F】

      11月16日の記事

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