加藤千速尾鷲市長が各地に出向く市民懇談会が１１日までに全１４会場で行われた。話題の中心は広域ごみ処理施設と代替野球場整備。どちらの問題も、反対あるいは慎重意見がよく出ていた。賛成している人、問題ないと思っている人、関心のない人からはそもそも声が上がらないので、反対意見ばかりが出てくるのは当然と言える。

　取材をしていて、津波被害について、人命には十分考慮するが、施設などの浸水については、それと同じレベルでは考慮していないように感じた。三木里地区の説明会では「津波浸水域だから事業ができないという考えはない」と発言している。

　地震はいつ起きるか分からないし、津波は予想より小さいかもしれない。それを気にしていては尾鷲三田火力発電所跡地の再開発はできず、手をこまねいていればまちは廃れる一方、という考えも筋が通っている。

　新野球場について言えば、津波が来るまでにどこまで逃げられるかが大問題。グラウンドを出て国道まで本当に逃げられるのか。加藤市政だけでなく、２０年、３０年先まで関係する話。最終的に整備に着手するまでに今一度、熟慮と市民への説明を期待したい。

（Ｍ）