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紀南抄「母校の取材で感じたこと」

 先日から取材で母校(小・中・高)を続けて訪れる機会があった。取材内容はそれぞれ運動会、文化祭、記念式典と異なるものだったが、児童生徒の一生懸命な姿や真剣な表情を見ると、なんだかうれしく誇らしい気分にもなった。
 
 併せて校歌を思い出す機会にもなった。卒業後は歌う機会こそないが、取材を通して「聞く」機会は意外に多い。その分、ほかの卒業生より覚えている。在学中は気に留めることもなかった校歌が、今は聞くたびに懐かしさを感じ、恥ずかしながら心の中で口ずさんでいる自分がいる。
 
 中には母校が統合などでなくなったという人もいる。子どもの数の減少が続いており、その流れは今後も続く。避けては通れない道だが、いざ母校がなくなると聞くと寂しいものだ。
 
 廃校舎を取り壊さずに地域のコミュニティーなどで再利用しているところもある。学校がなくなれば、地域も一気に寂れてしまうため、そのような利用が進んでいるが、併せて、その学校の歴史を振り返ることのできる常設展示場になれば。里帰りした時や同窓生で集まる時など、思い出話の「ネタ」になる。校歌のメロディーが流れれば更にうれしい。
 
【F】

      11月 9日の記事

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