新宮市長選と同日に行われた市議会議員補欠選挙は欠員1に対し3人が立候補し激しい選挙戦を繰り広げた。その開票結果の中で気になったのが、無効票1205票だ。その数は全投票数の7.18%を占め、2013年10月に行われた市議会議員補欠選挙(欠員1で2人立候補)では無効票1661票、全投票数の9.30%と多かった。市選挙管理委員会によると、無効票の中の多くは白票だったことがわかった。有権者が白票を投じるのは一つの意思表示だ。この数字が意味する事を考えなければならない。
その一つに「議員の数が多い」という市民の声も以前から聞こえるが、無効票の多さは市民の声が反映されているのかとも考えられる。和歌山県内には9市あるが、御坊市(人口2万2473人・9月末)と岩出市(人口5万4097人・9月末)がそれぞれ14人で最も少ない。新宮市の議員定数は現在15人だ。近隣では議員数を減らす流れにあり、串本町は今年4月に実施した選挙で2人削減の13人となり、紀宝町は2023年の次回選挙から同じく2人削減の11人とする。那智勝浦町は今年6月の町議会定例会で議会改革特別委員会を設置し、適正な定数(現在12人)や報酬について議論をはじめている。
住民と行政の橋渡し役である議員が減ると、住民の声が届かないおそれがあると常々言われるが、しかし本当にそうだろうか。議員活動とは、地道に住民の声を聞き、そして行政に住民の代弁者として議会で話す。はたしてその根本的なことができているのだろうか。各自治体の議会では、発言が少ない議員も見受けられるが、発言が少なくても議員として動いている人もいるかも知れない。ただ行財政改革の観点で考えると、議員の人件費すなわち定数削減すべきというのは自然な発想だ。今回で市議会議員の構成は、定数15人に対し、病欠1人・自動失職1人なので13人で12月定例会は行われるだろう。
合併後は一時的に人口が増えたが、今は減少傾向だ。定数を減らすことが良いのか、それとも現状維持が良いのか、メリットとデメリットも踏まえて最良の選択ができるよう、まずは議会で特別委員会を設置し、そろそろ議論を始めることも必要ではないだろうか。