秋の運動会のシーズンが来ているようだ。先日は紀宝町立鵜殿小学校で、うどの幼稚園との合同運動会を取材させてもらった。
「来ているようだ」としたのは、私が生まれ育った北海道には、秋の運動会というものがなかったためである。出身小学校では5月に開催していたと記憶している。従って軽いカルチャーショックでもある。おそらく北海道では春にやるのが一般的だろう。
春にやるのは、北海道の9月は寒すぎて運動会どころではないということなのだと思う。当地方で考えれば、9月は真夏が終わりちょうど良い気温。台風さえしのげば、秋晴れの下、快適な条件がそろう。児童・生徒らにしても春はクラスが始まったばかりで慌ただしく、準備期間を考えると秋はやりやすいのだろう。
さらに北海道との決定的な違いは、梅雨があることだ。北海道には梅雨のような時期はない。しかし当地方では5月ごろに梅雨入りし、雨が続く。
こう考えると、運動会は地域の気候と連動性を持った活動であることが見えてくる。いかに最適な条件で子どもたちの晴れ舞台を用意するかという思案の積み重ねが、あの笑顔につながっている。
【稜】