三重とこわか国体・大会は、延期でなく中止となることが決まった。尾鷲勤務の県職員も、延期になるものと思っていたという。総会では、大半が延期を希望していた競技団体の役員から批判、不満の声が上がったが、最終的には「知事一任」で落ち着いた。
延期できない大きな理由となったのが、全競技を県内で実施する場合でも6年間で約120億円かかることで、一部競技団体からは経費の試算にも疑義が示された。一つは、追加経費ではないものが含まれているという指摘で、もう一つは簡素化で削減余地があるという話。
今ある施設を維持するのは、国体がなくても必要なことだし、強化に費用がかかることも「国体がなければ強化に取り組まないのか」という議論になる。
試算については、いろいろな場面で問題になる。尾鷲でも中学校の給食導入や幼稚園運営で議論となった。比較対象は適当か、金額は妥当か。数字の提示の仕方に執行部の恣意が入る可能性が常にある。
財政難のおり、経費への見方はきびしくならざるを得ない。執行部は適切な資料を作成して提示すべきだし、議員や決断に関わる人は「数字を読む能力」が求められる。
(M)