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不連続線「尾鷲市の肉付け予算」

 尾鷲市はこのほど、9月議会に提案する一般会計補正予算案を公表した。約6億9000万円の増額分のうちおよそ5億5000万円を基金に積む内容。

 当初予算は骨格予算で、令和2年度に比べて4億円余りの減。財政難であることを加味しても2億円超の事業が出てくるものだと思っていた。ヤフーの寄付を活用する事業を加えても実質の〝肉付け〟は約6000万円。「ボリュームがない」と思った市民は多いのでは。

 当座に固まった事業がないので、基金に積んで使い道をじっくり検討する、ということらしい。尾鷲中の給食開始を念頭においた尾鷲小の給食設備の改修や、市営野球場の移転、広域ごみ処理施設整備、SEAモデル事業など大型事業も控える。会見での加藤千速市長の説明を聞き、それも一手か、と感じた。

 新型コロナウイルス感染症も、ワクチン接種は進んだとはいえ、治療薬ができないと出口が見えない状況。地域産業にも再度のてこ入れが求められる事態も考えられる。資金に少しでもゆとりができるのは歓迎。

 人口減の中、地域経済は今後、一層厳しくなることが見込まれる。使い道、使いどころを間違えないでもらいたい。

(M)

      9月 6日の記事

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