尾鷲市議会行政常任委員会が26日あり、第7次総合計画、国土強靭化地域計画、港まちづくりビジョンの3つの計画策定についての進ちょくの報告があった。
このうち港まちづくりビジョンは、尾鷲三田火力発電所の稼働停止に伴い、これから変化していく尾鷲港の利活用やその周辺、背後地などから尾鷲港のあり方を見直すもの。令和2年度は漁業、物流、観光、防災の観点で関係者への聞き取り調査などを進めてきた。
抽出された課題は
- 漁業=地域一丸となった対応に向けた関係業者の意識の醸成、年間を通じた雇用確保に向けた生産体制の構築(新養殖の導入含む)、共同施設の導入等や共同運送導入による平均コストの削減、新たな販売方法の確保
- 物流=共同施設の導入等や共同運送導入による平均コストの削減、ハード整備に先駆け交流人口増加に向けた企業誘致、企業誘致と連動した海上輸送の拠点化に向けた検討
- 物流(林業)=長期的な視点に立った植樹計画、年間を通じた事業量の確保および地元機運の醸成、尾鷲ファン・尾鷲ヒノキファンの拡大、事業者間取引から消費者取引への変換
- 観光=東紀州全域や三重県全域を対象とした観光ツアーの造成、エリアマネジメント面での情報発信、観光客の需要に合わせた受け入れ体制の整備、尾鷲ならではの体験型観光に向けたメイドイン尾鷲の取り組み、尾鷲港への補給基地の整備や係留ルールの策定による小型クルーザーの誘致、観光客向けの多目的施設の整備
- 防災=海上防災の拠点化に向けた必要施設の検討、施設そのものの安全対策
議員からは「利便性が高く入港したいという希望はあるが尾鷲港は水深が5.5メートルしかないので深くすることが必要」との意見が出た。事務局の政策調整課は長期的なものであることを念頭に策定していると説明。「(決定には)県と協議が必要だが、市がビジョンを示してほしいと言われている」と現状を報告した。物流拠点とするには、物を一定量集めることが必要との認識も示した。
尾鷲港については、四日市港を拠点に県内の港湾が連携して地域活性化を目指す構想がある。
市は6月以降にビジョンの成案を固めることにしている。