尾鷲高校の卒業式が1日、行われた。昨年を振り返ると2月末に一斉休校の話が出て、3月1日の高校の卒業式はギリギリ実施できたが、休校期間に重なった中学校は式典がほぼ2週間延期となった。全国では卒業式ができなかった学校もあった。
今年の尾鷲高校の卒業生は175人。最終学年は約1週間登校して臨時休校。5月下旬から再開という形になったほか、行事なども圧縮されたり、競技大会が中止になったりと、通常通りにはいかなかった。卒業生にとっても、在校生にとっても、答辞で述べられたように「不完全燃焼」という思いがあるだろう。
大人になれば、1年のロスは大したことではないと思えるようになるが、卒業生にとっては18年の人生のうちの1年。割合が大きい。災い転じて福にできるかは、本人の考え方による。この1年を前向きにとらえてもらいたい。将来、壁を乗り越える糧になると思う。
校長の式辞にあったように、就職にせよ進学にせよ、ほとんどの生徒が一度故郷を離れる。できれば将来は地元に戻って、と願わなくはないが、どこにいても、前向きに、自分らしさを失わずに生活してくれることを希望する。
(M)