三重大学医学部附属病院の臨床麻酔部の医師がカルテを改ざんして、診療報酬を不正に請求していたことが発覚し、麻酔科医6人が9月末で一斉に退職したという報道があった。同病院では手術の件数を減らすことを検討するなど、地域医療に影響を及ぼしかねない問題に発展している。
正期産前に破水して早産となってしまい、救急車で同病院に搬送された経験がある。悪いことは重なり、逆子のために緊急帝王切開。しかし深夜の手術にも関わらず、産婦人科医はじめ、麻酔科や小児科の先生らが集まり、不安で押しつぶされそうになる私に優しく声をかけながら無事に赤ちゃんを取り上げてくれた。
脆弱な地域医療問題を抱える紀南地方では、大きな病気やけがの場合、遠く離れた大学病院や日赤病院などに入院するケースがある。中核病院も医師の派遣を大学病院に依存しており、今回のような事件があると、当地域の医療にも影響が出ることが予想される。
私事で恐縮だが、今まさに身内が同病院にお世話になっている。安心して治療を受けられるように、一刻も早い解決を望むばかりだ。
【織】