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紀南抄「カッパは権威の象徴」

 気象庁は10日、近畿、東海地方が「梅雨入りしたとみられる」と発表した。

 「梅雨」とは、6月~7月中旬、中国の長江流域から朝鮮半島、日本列島(北海道を除く)に見られる雨期のこと。それほど雨足の強くない雨が、長期にわたって続くのが特徴。

 雨の日に重宝するレインコートは、日本語で「かっぱ」「雨がっぱ」などと呼ばれる。この「かっぱ」、雨・水のイメージから伝説上の動物「河童」と関係ありそうに思えるが、それは間違いだ。

 じつは、「かっぱ」は漢字で合羽と書き、もとはポルトガル語の「カパ(capa)」の当て字である。

 日本に合羽が登場するのは16世紀後半。織田信長や豊臣秀吉ら当時の権力者たちは、ポルトガル人が着ていたカパを真似て羊毛布地で同様のものを作らせ、「カッパ(カッハ)」と称して権威の象徴にしていた。江戸中期以降は、木綿合羽や紙に桐油などを塗った紙合羽が登場。明治末期にはゴム引きの防水マントもでき、カッパ、雨ガッパなどと呼ばれるようになった。

 現在、自動車などの普及で機能と効用が問い直され、カッパは進化を遂げている。

【茂】

      6月11日の記事

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