雀始巣(すずめはじめてすくう)。スズメが巣を作り始める頃という意味。七十二候の3月20日ごろ。昼の時間が少しずつ伸び、多くの小鳥たちが繁殖期を迎える頃。
民話や童謡、俳句にも用いられ、日本人にとって古くから身近な存在であるスズメ。最近では生息数が少なく、貴重な存在になっているというが、休耕田や空き地に目をやると、数羽のスズメがせわしく飛び回り、当地方の自然の豊かさを感じる。
東海地方でも岐阜や名古屋でソメイヨシノの開花の便り。暖かい当地方では一定期間低温にさらされることによる休眠打破が鈍いようで、かつて尾鷲測候所の標本木があった尾鷲簡易裁判所のソメイヨシノは、23日昼現在で1輪。他の場所では開花しているものもあり、サクランボの木などはほぼ満開。
徒歩で通った小中学校のころは、通学路で鳥や花などによく目を向け、季節の移ろいを感じていたが、車で移動する今となっては、周りの自然に目をやることがめっきり少なくなった。
新型コロナウイルス感染症はまだ終息は見えない。心のためにも、体のためにも、のんびりと自然に触れる時間を持ってもいいのではないか。
(J)