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紀南抄「玄峰老師の毎歳忌法要」

 田辺市本宮町で湯の峰出身の僧侶・玄峰老師を供養する「毎歳忌法要」が営まれた。老師は赤ん坊で捨てられていたところを拾われ、19歳のころ失明、流浪の旅で行き倒れていたところを寺の住職に助けられるなど、壮絶な人生を歩んだ。

 25歳で出家した後、数々の寺の復興に尽力した。その代表例が静岡県の龍澤寺。しかし後を継ぐ住職に適任者がおらず、4月から修行道場としては休みに入った。

 「行く川のながれは絶えずして、しかも本の水にあらず」とは、鴨長明の方丈記。「よどみに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて久しくとどまることなし。世の中にある人とすみかと、またかくの如(ごと)し」と続く。

 人は長生きでも100年余りで亡くなる。人柄も功績も徐々に忘れられていく。何千年も経てばどんな偉人もあやふやになるし、何億年も経てば人の歴史そのものが大河に浮かぶ泡のようなものだろう。

 人を悼む時に真剣になるのは、他人事ではないから。自も他もない。ただ大きな流れがあるだけ。手を合わせると、老師も、私の祖母も、温かく見守ってくれているような気がする。

【稜】

      紀南紗

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