「おんなじ文字なのに書き順の違いでいさかう」—。先日御浜町でもライブを行った歌い手・竹原ピストルのしわがれた声が耳に残る。
新宮市議会教育民生委員会で、こども食堂のあり方に疑問が呈された。本来の目的は貧困世帯や子どもの救済のはずが、イベントのようになって、まちのにぎやかしに変わってきてはいないか、というもの。中には、こども食堂における「成果」を定めてその内容を精査する提案など、厳しい意見もあった。
市担当職員は、効果検証が難しいことは認めつつも、課題を抱える家庭の中で、市でも把握できていない潜在的な層については、こども食堂などで見つかることが期待できると話した。
こども食堂関係者は、支援が必要な子どもに一足飛びに来てもらうのは難しいと語る。「こちらが善意でやったとしても…」と言葉を詰まらせる。何もしなかったら始まらない。どうしたら新しい人たちに来てもらえるか、常に考えながらやっているという。
「おんなじ夢なのに叶え方の違いでいがみ合う」。いがみ合ってはいないだろうが、みんな、願いは同じなんだよなあ、と思う。
【稜】