学校において、図書館・図書室は異質な存在である。学ぶことを強要されない。本を手に取っても取らなくてもよい。許された空間。ちびまる子ちゃんで言うとしたら、教室がお母さんなら、図書館は優しく甘やかしてくれる祖父の友蔵である。まる子の成長にとって、非常に重要なファクターだ。
新宮高校が子供の読書活動優秀実践校として文部科学大臣表彰を受けた。朝読書や読書感想文・感想画コンクールへの出品など継続的な活動に加え、生徒が自分でテーマを設定し深掘りする探究学習との連携も強まってきているという。
司書の保野さんに学校図書館の役割を尋ねると、学力よりも生涯学習の観点から、生徒が卒業後にも困ったり知りたいことにぶつかった時、図書館を活用する選択肢を持てるようにすることだと話した。インターネットで簡単に調べられるようになったが、「本当の困りごとはそこでは調べられない。本でしか探せないものがある」とし、使い分けができるようになってほしいと語る。
子どもたちが自分から足を向けられる学校図書館がこの地域にあるというのが心強い。
【稜】