漫画やアニメで、主人公が異世界に転生して活躍する、いわゆる「異世界転生」のジャンルがある。これが流行していると聞いた時、平安時代の浄土信仰かな、と心の中でつっこんだ。現世に希望を見いだせず、来世や極楽浄土に希望を願う構図は1000年経っても変わらないものか。
絵本作りの取材で来ていた大学院生が「紀北町に生き直している感覚がある」と言ったので、おそるおそる「地方への移住は異世界転生に似ている」と珍説をぶつけたところ、予想以上に面白がってくれた、ような気がする。
この珍説、実は移住者の私の経験に基づいた持論である。人口減少が進む地方では、労働力や消費者としても移住者は貴重で、環境を変わることで人生への影響が生じる。アニメではなく現実で、死ななくてもよく、車か列車で元いた地域に帰れるという点はさらにメリットではある。何より、この一見不真面目な論説をぶち上げている私こそ、のびのびと人生を謳歌している、というサンプルではある。
(R)
