約110人熱心に聴講
太地町地域包括支援センターは15日、町公民館で、認知症に関する講演会を開いた。医療法人両茂会岩﨑病院の精神保健福祉士、濱口晋也さんが、認知症が疑われる場合の相談や受診、精神科病院の役割などについて解説。約110人が聴講し、認知症への正しい理解と早期対応について学んだ。
濱口さんは、かつての精神科病院には「怖い」「閉鎖的」といったイメージがあったが、現在は治療や薬が進歩し、症状を整えて自宅や施設などでの生活に戻るための短期集中リハビリの場としての役割を担っていると説明。相談したからといって必ず受診するわけではなく、受診しても必ず入院になるわけではないとして、早い段階で専門家につながる大切さを伝えた。
認知症は、ただの老化ではなく脳の病気であり、物忘れや暴言、暴力などを症状と捉え、原因や状態を正しく調べることが重要と強調。脱水や薬の影響、気分の落ち込み、頭に水がたまる病気などによって認知症に似た症状が現れることもあり、正しい治療をすれば改善の可能性があると話した。
認知症の人との接し方にも触れ、「一番困っているのは本人」と説明。本人も記憶が失われていく不安の中で生活しており、間違ったことをしようとしているわけではないと述べた。また、嫌だったという記憶が残ることがあるとして、叱ったり否定したりせず、本人の気持ちやプライドを尊重することの大切さを伝えた。
物忘れ外来などへの受診を勧める場合も、「忘れているから病院へ行こう」と指摘するのではなく、「あなたのことが大切だから、これからの生活を一緒に考えたい」といった声掛けをアドバイスした。「精神科病院は、皆さんが地域で生活をするための休息の場所。気軽な気持ちでいつでも相談してほしい」と呼び掛けた。
■認知症の相談窓口
認知症かもしれないと不安に感じたら、できるだけ早くかかりつけ医、または認知症サポート医のいる医療機関や認知症診療相談医療機関に相談することが大切。太地町では、坂野医院の坂野智洋院長が認知症サポート医として、地域の認知症医療や介護連携の推進に活躍している。地域包括支援センター(電話0735-59-3380)にも相談できる。
