紀北町のふるさと納税の寄付額が伸びず、ここ5年間は1億~1.5億円で推移している。右肩上がりで5億円まで伸ばした尾鷲市に見劣りはするが、担当者は「地道にPRしていくしかない」と話す。
先月、長野県須坂市と岡山県吉備中央町のふるさと納税指定が取り消されている。吉備中央町は米の出荷量に応じた奨励金を出していたことが原因。
同町は、紀北町などの三重広域連携モデルに先駆けてデジタル田園都市に採択されていて聞き覚えがある。平成の大合併で同規模の2町が合併した人口1万人ほどの町で、本年度から小学校9校を3校に統合していることからも、過疎化が進んでいることが見てとれる。
昨年度のふるさと納税寄付額は11億円で、先のデジタル田園都市の採択からも、活性化に積極的だったことが想像しやすい。積極性が規制の範囲を超えた結果、見込んでいた5億円以上の財源がなくなるのは困難な事態。
地方の衰退は深刻だが、劇的に改善する魔法はない。時節を読み、地道に知恵をしぼっていくほかない。
(R)