新農水相による2000円の備蓄米放出が話題となっている。あくまで特例による応急処置であり、安定的な米価、ひいては持続可能な農業には抜本的な制度変更が必要となる。
農業の大規模化や効率化はよく言われるが、農家の高齢化や後継者問題は深刻で、中山間地域での集約化の難しさは理解している。赤羽地区の行政報告会で聞いた「あと10年もすれば農業ができなくなり、休耕地や荒れ地が増えていくのは目に見えている」との農家の訴えは切実。町には「農業をやりたい」という問い合わせはあり、結実しないもどかしさはある。
田植えが終わった頃、赤羽川沿いを歩くと、山に囲まれた水田は壮観で、これこそが日本の原風景だ、とも思う。〝瑞穂の国〟は『みずみずしい稲穂が実る国』であり、米づくりは日本のアイデンティティと言っても過言ではない。
米の高騰は消費者としては苦しいが、生産コストを考えた適正価格や持続可能な農業にも議論が及んだ。米だけでなく、漁業や林業も見直されるきっかけになれば、と願う。
(R)