尾鷲圏域県管理河川水防災協議会が7日、県尾鷲庁舎で行われた。加藤千速尾鷲市長、尾上壽一紀北町長と、山本治津地方気象台長、浅野覚尾鷲建設事務所長ら防災に関わる部署の幹部らが出席し、出水期を控えて、これまでの取り組みや本年度の事業について情報共有を図った。
近年、大規模な水害が頻発していることを受けて、国、県、市町がそれぞれの減災の取り組みを共有し、社会全体で「施設では防ぎきれない大洪水は必ず起こるもの」として、洪水に備える県民意識の高揚や定着を図ることを目的としている。
水防災意識社会の再構築に向けた取り組みについては、県・市町の防災設備整備、情報提供の仕組みなどに報告があった。
津地方気象台の山本台長は5月29日から始まった防災気象情報に言及。「(周知は)まだまだこれから。協力しあいながら普及させていきたい」と語った。
尾鷲建設事務所は昨年度に尾鷲市の中川と、紀北町の赤羽川、三戸川、往古川で堆積土砂を撤去したと報告。本年度は、出水期後の状況による変更の可能性はあるものの、赤羽、三戸、往古、船津の各河川と銚子川で土砂撤去を予定していると説明した。堤防決壊対策では昨年に引き続き赤羽、三戸、船津、往古川で堤防の天端舗装や裏側斜面の保護工事などに取り組む。
紀北町からは昨年度、三戸川の宮之橋に簡易型河川監視カメラを設置したことなどについて報告があった。
加藤市長は、全国的に集中豪雨による災害が激甚化し頻発していると述べ、「尾鷲市では河川の能力を超えた大雨は今のところない」とした上で市内にはいたるところに小さな川があり、あふれた場合に局所的な被害になることから市が防災対策の主体となっていると説明し、県に力添えを呼び掛けた。また、(雨量など)実績値だけでなく想定される災害に対応する必要があるとの見解を示した。
尾上町長は台風6号の雨について「船津川は、以前なら越水していたのではないか。県の取り組みに感謝する」と話した。新たな防災気象情報の運用にも言及。「以前なら(避難すると危ないので)出さなかった、深夜に避難指示を出した」と語り、「住民に(危険レベルと対応を)知ってもらうことが大切」と感想を述べた。
このほか、排水ポンプ車の紹介や気象庁の線状降水帯直前予測の説明もあった。山本台長は線状降水帯の予測について、気象庁が2029年中に、発生による大雨の可能性が高い市町村を把握できる格子形式の分布図を発表できるように精度の向上に努めていることを説明した。
