三重県立尾鷲高校の全日制課程の卒業式が1日、行われ4学科・コースの144人が教員、在校生、保護者、来賓の祝福を受け、新たな世界への一歩を踏み出した。
参列者の拍手の中を入場した卒業生らは一人一人呼名を受け、各学科の代表者が奥地克也校長から卒業証書を受け取った。
奥地校長は、入学時には新型コロナウイルス感染症の影響があり「高校生活には大きな制約があり、大切な学習活動はもとより仲間作りにも支障をきたす状況だったのでは」と振り返り、一方で本年度は体育祭や文化祭などの学校行事、修学旅行が従来の形式で行うことができ「学校行事の達成感から表れる表情に、卒業生の皆さんの思いが十分に伝わってきた」と述べた。
はなむけの言葉として、自ら学ぶことの大切さをあらためて強調したほか、校歌の「ふるさとを明日に担いて悔ゆるなき今日こそ励め」という3番の歌詞に言及し、「地域を見つめ、課題を発見し、それを解決することにより持続可能なふるさとを創生し、この先後悔することのないよう、あらゆることに全身全霊をかけてチャレンジし、この尾鷲・紀北地域に貢献できる人材になってほしい」と呼び掛けた。
来賓の脇川眞一PTA会長は「成功の反対は失敗ではなく挑戦しないこと。積極的にチャレンジを」と激励したほか、「ありがとう、といろいろなところで、声に出して言えるような人になって欲しい」と求めた。最後に、尾鷲節を笛で演奏し、卒業生を送り出した。
在校生代表の三鬼脩斗さんの送辞に続き、普通科プログレッシブコースの大内そらさんが答辞。クラブ活動や体育祭、修学旅行などの学校生活を振り返り、「いつしか学校が自分の居場所になっていた」などと語ったほか、過去のたくさんの選択の結果の未来として現在があるとし「自分で選んだ道を歩んでいく。大きな壁にぶつかることもあると思うが、尾鷲高校での思い出と学びを生かし、この先の未来にあるであろう奇跡を信じて力強く前に進んでいく」と決意を述べた。