多芸多趣味で知られた北村豊文さんの遺作展が、1月27日(金)から尾鷲市天満浦の天満荘で開かれる。妻の京子さん(62)=同市光ヶ丘=が開いた。日常使いの茶わんを中心にした陶器と柔らかいタッチで癒やされる水彩画が並ぶ。
北村さんは一昨年4月、75歳で急逝した。人に見てもらい喜んでもらうことを楽しみにしていた北村さんの遺志を継ぎ、「一人でも多くの人に見てもらうことが夫への供養になる」と京子さんが遺作展を企画。数ある手持ちの作品の中から、生前北村さんが気に入っていた自信作や労作を選んで展示した。
陶芸は愛好グループ「おわせ陶の会」で35年ほどのキャリアがあり、「めしわん(ごはん茶わん)」が得意で、「お茶わんの豊文」と呼ばれるほどだった。数点を一組にまとめたものが全部で22組あり、全国規模の公募展「めし碗(わん)グランプリ」や県展の入選作も賞状とともに展示される。
茶わんは昆虫や鳥の姿を手描きしたものや幾何模様の味わい深い作品をはじめ、尾鷲神社ヤーヤ祭りの氏子20町のちょうちん図柄をあしらったものもある。ほかにコーヒーカップやぐいのみ、絵皿、制作に1か月かかったという「染付青海波文皿」の大作も展示されている。
絵画教室にも通い学んだ水彩画は30点を展示した。ここ10年ほどに描いたもので、引本小学校校舎や満開の桜など身近な風景を淡い色調で描いている。
京子さんは「水彩は優しく穏やかな人柄が絵に出ている。陶芸はお茶わんに絵を施す繊細なところを自慢げに話していた。それを見てもらえたら」と話している。
28日(土)午前10時から午後3時まで抹茶の接待があり、20人限定で北村さんの遺作から好みの器を選んで一服を味わってもらう。
展示は1月31日~2月2日の休みを除き、2月6日(月)までの午前10時~午後4時。
<イベント概要>
北村豊文さんの遺作展
- 日時:1月27日(金)~2月6日(月)まで 午前10時~午後4時
- 場所:天満荘(尾鷲市天満浦)
休館/1月31日~2月2日
28日(土)午前10時~午後3時まで抹茶の接待がある。20人限定。
北村さんの遺作から好みの器を選んで一服を味わうことができる。