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基金取り崩す運用に懸念 紀北町 2025年度決算

「持続可能な予算編成へ移行を」

 紀北町はこのほど、2025(令和7)年度一般会計決算を公表した。実質収支は6億7391万4944円の黒字で、前年度と比較すると1826万5366円増。町監査委員は所見で、財政調整基金などを取り崩しての運用が続いていることに言及。防災への投資の必要性を認めた上で、中長期的な基金残高の低下への懸念を指摘している。
 
 
一般会計歳入の内訳
 
 
 歳入は予算現額132億6823万7926円に対し、決算額122億8040万80円(前年度比3億9997万4912円増)。収入率は92.55%(同4.67ポイント減)だった。
 
 このうち自主財源は44億5892万8349円(同6億4066万2552円増)と前年度より17%ほど増加。依存財源は78億2147万1731円(同2億4068万7640円減)と縮小し、自主財源の割合は36.31%で自主財源比率は4.17ポイント増加した。
 
 自主財源の増は、ふるさと納税の好調によるもの。昨年度の寄付金は4億7941万9900円(同3億6063万4900円増)とおよそ4倍となった。監査委員は、地域活性化起業人の起用による分析やPR戦略などの積極的な展開を高く評価。全国的な競争激化の中での総務省の指針の順守徹底に触れて、「さらに、地域の強みを生かした高付加価値な返礼品の開拓や効果的な広報活動を展開し、寄付者の期待に応える取り組みを推進されたい」と述べている。
 
 町税は14億2678万8125円(同2039万8700円増)で3年連続で増加した一方、収入率は97.60%と0.15ポイント悪化した。項目別に見ると町民税6億1666万6895円(同2098万8477円増)、固定資産税6億5292万3369円(同139万4077円増)、軽自動車税6110万1341円(同88万7081円増)は増加したが、町たばこ税のみ9609万6520円(同287万935円減)と前年度を下回った。
 
 繰入金は14億9012万358円(同4億1277万5119円増)と大きく増加し、ふるさと応援基金や財政調整基金などからの繰り入れが要因。町債は8億8740万円(同1億127万9000円減)で、 汐ノ津呂排水機場整備事業のための起債を本年度に繰り越したため予算より大幅に減少した。
 
 歳出の支出済額は116億648万5136円(同3億8170万9546円増)。前年度と比較して総務費が24億2864万1653円(同4億9160万8914円増)と25%、衛生費が12億5499万6937円(同1億4896万3827円増)と137%増加。ふるさと納税寄付金の推進、物価高騰対抗重点支援地方創生臨時交付金による水道基本料金減免のための繰り出し金などによる。
 
 監査委員は「財政規律に留意しつつ、地域経済の活性化に向けて、紀北町第二次総合計画に基づく事業を積極的かつ計画的に取り組んでほしい」と述べている。
 
 不用額は5億52047万3270円(同1億3934万3751円減)、執行率87.48%(同4.37ポイント減)となった。商品券事業や汐ノ津呂排水機場整備場などの予算が繰り越されたため、執行率が減少した。
 
 所見では「単年度の財源不足を補うため財政調整基金などを取り崩す運用が続いており、中長期的な基金残高の低下が懸念される状況にある」とし「基金の過度な減少は、将来の災害発生や不測の減収に対する財政的対応能力を低下させるため、取り崩しを控えた持続可能な予算編成への移行が課題」と指摘した。
 
 一方で、南海トラフ地震などに備えた避難体制や防災基盤の強靭化などにも触れ「事前防災投資への予算配分が不可欠である」とし、選択と集中に基づく予算配分と、事務事業の効率化を求めている。
 

      紀北町

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