紀北町戦没者追悼式が26日、東長島公民館で営まれた。参列者80人は黙祷して花を捧(ささ)げ、中学生が書いた平和祈念作文の朗読に耳を傾けた。戦火に散った英霊1389柱の冥福と、世界平和を祈った。
町遺族会や町三役や各課長、町議会議員、東豊県議、中学生平和祈念作文の優秀者らが参列した。
尾上壽一町長は式辞でロシアのウクライナ侵攻、パレスチナ紛争、北朝鮮の弾道兵器などに触れ、「多くの命が失われ、恐怖に陥れられている現実があり、世界中に一日を早く平和が訪れることを願ってやまない。非核三原則を堅持し、戦争の悲惨さと愚かさへの理解を次の世代につなげていかなければならない」と述べた。
黙祷を捧げた後、遺族会の細野基曽一会長は追悼の言葉で「国内外の社会情勢の先が全く見通せない中、遺族会の責任は大きく、戦争は二度としてはならない、と叫ぶ時である。戦争遺児の平均年齢は84歳で、遺族会の在り方を検討していかなければならない」と訴えた。
中学生の平和祈念作文の阿部賞や日比賞、優秀賞を受賞した生徒4人が作文を朗読。「戦争は身近にあり、遠いところにもあるもの。多くの人の命を奪い、多くの傷跡を残す残酷なもの。二度と起こしてはいけない」「戦争をなくしていくために、私たちができることはたくさんある。日本は唯一の戦争被爆国として、世界に戦争はもう二度としてはいけないということを伝えていくべき。この世界から、一日でも早く戦争がなくなってほしい」と平和の大切さを堂々と語った。