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「ボッチ」生かして水確保 九鬼固有の資源生かす 流しそうめんで事前復興

 尾鷲市九鬼町で14日、山水をためておく「ボッチ」を活用した流しそうめんが行われた。多くの家族連れが訪れ、竹どいに流れるそうめんを味わうだけでなく、避難生活についての説明を受け、防災について考えた。

 九鬼は豊かな山水に恵まれており、かつてボッチと呼ばれる石組みの構造物で貯水して生活用水を確保していた背景がある。これを被災時の生活用水の確保に活用できないかという着想から、大学関係者らや地域おこし協力隊らが「九鬼町事前復興まちづくり委員会」を結成し、帰省客の多いお盆に流しそうめんを行って有用性を示している。
 
 4年目を迎えた取り組みで、避難所となる旧九鬼小学校講堂で避難生活を体感するキャンプを地元の子どもたちと実施。水を中継するためのボッチを新たに試作し、集落への配水の構築を目指している。
 
 流しそうめんは地区内に参加を呼び掛け、山水をボッチに引き、地元で「ボッチの家」と呼ばれる民家から、組んだ竹どいへ麺を流した。子どもたちは、シイタケとタマネギを使ったつゆで味わい、笑顔を見せた。
 
 流しそうめんに先立ち、避難所ツアーと題して委員会が旧九鬼小講堂を案内。避難してくる想定人数と収容人数の差、生活用水の確保など避難体験キャンプで得た知見などを元に説明し、住民の事前復興の意識を高めた。
 
 委員長の下田元毅大手前大学准教授は「九鬼のボッチは地域固有の文脈として地域に根付いてきたもので、そういったものを日常と非日常で生かしていけないか、と考えてきた。九鬼小もただの避難所ではなく、自分たちのおじいちゃんやおばあちゃんがずっと過ごしてきた場所だからこそ役に立つ。地域が持っている文脈の価値を更新し続けていければ」と意気込みを語った。
 
 元々は移住定住担当の地域おこし協力隊で、現在は集落支援員の山田由衣さんは「避難経路の作成に当たって、専門知識のある先生や学生が九鬼に入ってくれて大変ありがたい。流しそうめんを楽しむだけでなく、事前復興や災害時の生活用水の確保などについて考えるきっかけになってくれれば。より地元の人が参加できるように、別の時期での開催も考えている」と話した。
 

      8月14日の記事

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